母子家庭世帯は123万世帯、父子家庭世帯は22万世帯あるようです。一人親になってしまう原因は約80%が離婚のようです。
結婚したカップルの3組に1組は離婚するといわれています。
シングルマザーの貧困は社会問題となっていますね。結婚を選んだのは自分なので自業自得だという人もいますが、本当にそうなのでしょうか?
母子家庭の貧困の実態について調べてみました。
Contents
シングルマザーの貧困は自業自得?離婚に至る経緯は
離婚原因にはいろんな理由があります。
離婚の原因は性格の不一致や不貞行為を含む配偶者の異性問題や経済的問題。
不貞行為には、浮気・暴力・DV。精神的な暴力やモラハラなどがあります。
そんな意見もありますが、付き合っている時からそこまで性格を見抜くことは難しいですよね。
付き合っている時とは、環境が大きく変化します。他人と生活を共にする中には衣食住などあらゆることを一人ではなくパートナーと共にすすめるわけですが、頼りになることもあれば一人ですすめて方が良いと思うこともしばしば。
それらのことがストレスとなり、付き合っていた時には表面化されていなかった性格などがあらわれ、浮気・暴力・DV。精神的な暴力やモラハラなどが出てくるケースもあります。
決して、シングルマザーは自業自得だと決めつけるのは良くありませんね。誰にでも起こり得ることです。
そのような偏見が社会問題だと思います。
母子家庭世帯の現状
母子家庭世帯の就労状況
母子家庭の就労している母は全体の81.8%うち正規職員が44.2%でパート・アルバイトが43.8%でした。
平成23年と平成28年を比較してみると正規職員が増え、パート・アルバイトが減っていることがわかります。若干働きやすさは改善しているのかもしれませんが、
全体のまだ40%以上はパートやアルバイトになっています。
母子家庭の年収
母のみの年間収入は243万円であるが、母自身での就労収入は200万円
平成23年との比較では全体的に収入が増えているようです。しかしまだまだ生活するのがギリギリの年収でしょうね。
母子家庭の帰宅時間
母子家庭世帯の母親の帰宅時間は20時までで全体の約80%です。平成23年との比較では18時以前の帰宅は少なくなっていますが、18時以降の帰宅は増えています。
母子家庭世帯の年収が増加していますが、就労に時間をかけているわけです。
時給や職場環境の改善とは言えないのではないでしょうか?
シングルマザーの生活は厳しい
シングルマザーの就労は増えていますし正規雇用も増えています。その影響もあり年収は増加傾向にあるようです。
しかし、パート・アルバイトは全体の40%以上を占めているのも現状。
世帯年収は240万。母自身では200万円にとどまっています。これでは生活はギリギリであることには変わりはないでしょう。
シングルマザーで子1人の生活費は月額15万円、子2人では17万、子3人では20万です。
生活は苦しいですよね。
貧困で食べ物がない子どもが予想以上に多く、低所得・低学力の子どもは文化的体験も少ない。養育費を強制でとらないからシングルマザーは貧困。日本は総じて子どもの人権意識が低い。上の人は下の人の状況を見たことがなく理解できないから、日本の子より海外を助けようとなるhttps://t.co/jDoaivCRPJ
— dia feliz (@diafeliz_latin) December 25, 2018
https://twitter.com/ifmari/status/1074274596545716224
母親の帰宅時間を見てみると、18時前に帰宅できなくなっています。就労はでき年収も増えているがそれだけ働いているということです。
時給の向上や職場環境の改善がまだまだ必要ですね。
子供を預けて働きに行きたくても、子供の体調不良とかで急な休みに対応してくれる企業はまだまだ少ないのが現状のようですね。
特に「小一の壁」と言われる、幼稚園や保育園から小一に上がる時の子供と親の環境の変化がさらに働きづらくしていることもあるようです。
一人親家庭の子どもの心の問題
ひとり親世帯とそれ以外の世帯の子どものこころの問題の研究では
反抗挑戦性障害・小児期反応性愛着障害・心的外傷後ストレス障害・解離性障害がひとり親世帯が多いことがわかりました。
原因としては母子関係の希薄さとキーパーソン機能の低下であると考察しています。
山崎ら 子の心とからだ[JJSPP]2018.27 B}:332-339
母子の関係やキーパーソン機能の低下は、就労や帰宅時間も少なからず影響しているのではないでしょうか?
日本の助成制度
児童手当
子供を持つ世帯に支給されます。
0歳から3歳未満までは15,000円
3歳から12歳未満は1子10,000円
2子10,000円、3子以降150,000円
支給は年間3回。
児童扶養手当
母子家庭・父子家庭で0歳か18歳までの子がいる世帯が該当。
全額支給 所得が57万円以下 |
一部支給 所得が57万円〜230万円 |
|
1子 | 42,500円 | 42,490円〜10,030円 |
2子加算額 | 10,040円 | 10,030円〜5,020円 |
3子以降加算額 | 6,020円 | 6,010円〜3,010円 |
年間3回に分けて定例支給
母子家庭の住宅手当
各自治体ごとに設けられているため実施していない自治体もあります。
東京都の場合は月額10,000円が支給
その他にも助成制度はありますが、十分なものとは言えません。
今後の対策が必要です。
各国のシングルマザーへの補助
アメリカ
日本ほどシングルマザーに対する偏見はないようです。しかし、日本同様にシングルマザーの貧困が問題となっています。これといった手当もありません。さすが、資本主義国家で競争の原理ですね。
カナダ
高校まで授業料無料、健康保険料免除、児童手当も受給されます。
オーストラリア
年間20〜30万円程度の支給と、仕事も子供優先の配慮をするような企業風土があるところが多いようです。
ヨーロッパ
日本と同程度くらいの待遇ですが、スウェーデンは特段に良く子供のための休暇が年間120日も認められ、16歳まで教育手当として月額1万円支給されます。
まとめ
- シングルマザーの貧困は深刻であり、所得は240万円程度
- シングルマザーの貧困は自業自得ではなく、誰にでも起こり得ること
- 助成制度はあるものの十分なものとは言えない